愛犬は1日に何時間くらい眠りますか?犬は人間の約2倍の時間を眠る動物であり、その睡眠の質は行動・感情・健康状態に深く影響することが科学的に示されています。
この記事では、犬の睡眠行動の科学的背景と、良い睡眠環境を整えるために役立つグッズを獣医師の視点から解説します。
犬の睡眠の科学:1日12〜14時間眠る理由
成犬は1日に平均12〜14時間を睡眠に費やします。老犬や子犬ではさらに多く、16〜18時間に及ぶこともあります。これは人間(7〜9時間)と比較すると著しく長い時間です。
Adams & Johnson(1994)は、家庭犬の夜間睡眠パターンを記録し、犬が多相性睡眠(昼夜を問わず複数回の睡眠をとる)を持つことを示しました(Applied Animal Behaviour Science)。
犬の睡眠サイクルとREM睡眠
犬の睡眠はNREM(ノンレム)睡眠とREM(レム)睡眠で構成されます。REM睡眠中は眼球運動・脚の動き・鳴き声などが見られ、夢を見ていると考えられています。人間の睡眠サイクルが約90分なのに対し、犬は約20分と短く、1日に多くのサイクルを繰り返します。
睡眠と学習・記憶の深い関係
Kis et al.(2017)は、犬の睡眠と学習の関係をEEG(脳波)で分析し、学習後に十分な睡眠をとった犬は、睡眠を妨害された犬よりも記憶の定着が優れていたことを示しました(Scientific Reports)。
この結果は、トレーニングの効果を最大化するためにも、愛犬の睡眠環境を整えることが重要であることを示しています。
睡眠の質が低下するとどうなるか
睡眠不足や睡眠の質の低下は、犬にとって以下のリスクを高める可能性があります。
- 行動問題(過剰な吠え・破壊行動など)
- 不安・ストレスの増大
- 免疫機能の低下
- 認知機能の低下(特に老犬)
Reicher et al.(2020)は、犬の多チャンネル睡眠記録法を確立し、睡眠ポリグラフ指標が犬の健康状態・行動と関連することを示しました(Scientific Data)。
良い睡眠環境を整える3つのポイント
- 静かで暗い場所:犬は安心できる巣穴のような場所を好みます
- 適切な温度:寒すぎず暑すぎない環境(18〜22℃が目安)
- 体に合ったサイズのベッド:伸び伸びと横になれる広さが理想
犬の睡眠行動をサポートするおすすめグッズ3選
① もこもこカーミングベッド:包まれる安心感で深い眠りを
丸く囲まれた形状のベッドは、犬の本能的な「巣穴」感覚を刺激し、不安を和らげて深い眠りを促します。もこもこした素材が全身を包み込む感触が、不安の強い犬や小型犬に特に効果的です。丸洗い可能で衛生的にも安心です。

② オーガニックコットンのペットベッド:素材から安心を
化学物質に敏感な犬や皮膚が弱い犬には、オーガニックコットン素材のベッドが安心です。柔らかな肌触りと通気性で、長時間の睡眠でも快適な環境を保ちます。素材の安全性を重視したい飼い主さんに特におすすめです。

③ クレートカバー:巣穴感覚の安心空間をつくる
クレートにカバーをかけることで遮光・防音効果が生まれ、犬が本能的に求める巣穴のような環境を手軽に作れます。日本製でオールシーズン対応。特に物音や光に敏感で眠りが浅い犬に効果的です。

まとめ
- 犬は1日12〜14時間眠る多相性睡眠動物
- 睡眠はトレーニング効果・感情安定・免疫機能に直結する
- 安心できる暗く静かな「巣穴」環境が質の良い睡眠行動の基本
- ベッドやクレートカバーで睡眠環境を整えることが健康維持につながる
参照論文・出典
- Adams, G.J. & Johnson, K.G. (1994). Sleep-wake cycles and other night-time behaviours of the domestic dog. Applied Animal Behaviour Science, 36(2-3), 233-248.
- Kis, A. et al. (2017). The interrelated effect of sleep and learning in dogs (Canis familiaris). Scientific Reports, 7, 41873.
- Reicher, V. et al. (2020). Polygraphic sleep recording in dogs (Canis familiaris). Scientific Data, 7, 313.



